歯のマメ知識

2021年4月 5日

「硬いもの」はご法度?!

 現代人の顎は食品の軟化が進み、硬いものを食べなくなったせいで退化傾向になっているという情報を良く目にする
 歯科医師として多くのお子さん達のお口の状態を見ていると、顎の大きさに比べて歯が大きく並びきらない子はもちろん、唇を閉じられずお口をぽかんと開いて口呼吸する子も増えているのが分かる
 口の周りの筋肉が発達せず、うまく鼻で呼吸が出来ないと息が苦しいので唇を閉じて上手く噛んで飲み込むことが難しくなる、また日常的に口が開いている事で唾液のバリアを失い歯肉からの出血や口臭を伴う
 場合によっては夜間の睡眠障害をも生じ日中の居眠りで学習能力の低下を招くこともあるので、「うちの子いつも口開いてボ~っとしてるわ」とやり過ごしていては危ないのである

 顎の発達を促進するために重要なのは、決して「硬いもの」を一時的に無理に噛むような「咀嚼(ソシャク)力」ではなく、ご飯のような軟かい食品でも上手に回数を多く噛んで飲み込む事を毎日繰り返す事で成長を無理なく促す=「咀嚼回数」を増やすことである

 咀嚼回数を増やすコツとして、①食事中の姿勢は正座、もしくは椅子に座るときに足を組まない、必ず足の裏が床にしっかり着くように下半身を固定する②口唇を閉じる(音をたてて食べない)③正面を向いて食べる(TVなど見ながら食べない)④股関節機能を上げる=歩行訓練などが挙げられる

 実際、子供の噛む能力に合ってないものを過度に与えても消化できないか顎関節に炎症を起こして良いことはあまりない
 
 私が10歳に満たない頃に母が自然食に凝っていたこともあり、硬い玄米を食べさせられ泣きながら下痢をして全て出した経験もあることから、食に対する絶望感を持たせる危険性もある!食べることが楽しいものでなければ本末転倒・・・
 
 「軟食」を目の敵にして「硬いもの」を噛むだけでは解決できないし、むしろ胃腸や顎関節、心に負担がかかるようなことはせずに、柔らかいものでも素材本来の旨味が感じられるように噛む回数を増やして、大切な人と楽しく美味しく食べる時間を長く過ごすことが一番なのではないでしょうか?

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